インフラ施設が時間経過とともに老朽化するのと同様に人の体も老朽化が進む。今後も健康体を望むならば、日々維持管理――品質管理(未然防止)――が必要になる。
ものごと成り行きで生きていると、どうしても足元の報酬(楽しいこと、嬉しいこと)を優先し、面倒な品質管理(未然防止)を怠ってしまうものだ。
また国民の多数が品質管理を怠れば、国の健康保険が危機的状態(財政難)に陥る。
今回と次回は、“含み損”を有する人の“体”について、どのように未然防止するかを考えていく。
今回は、私自身が頑張って未然防止に挑んでいる様子をお伝えする。
<目次>
1.私の事例
2.“歩き”の振り返りⅠ
3.“歩き”の振り返りⅡ
1.私の事例
高齢化が進むに従い、体力の不安を抱いていた時である。2017年11月3日、滋賀県近江八幡市で「歩いて伸ばそう健康寿命」講演会(※講師 青栁幸利、東京都健康長寿医療センター研究所運動化学研究室長)があり、参加した。
内容は、「運動機能障害」に強い身体をつくる!「1日8,000歩、20分の速歩きが健康のカギ!」ということだ。全国的に普及が進んでおり、世界でも関心が寄せられているとのこと。※書籍「あらゆる病気は歩くだけで治る!」青栁幸利著@880円
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青栁氏が推奨する“律”:普通に生活している65歳以上の5,000人ほどから沢山のデータを取り、「健康状態と生活行動」から健康のための「病気にならない黄金律」を得ている。※誰でも簡単に健康が維持できるということである。詳細は、書籍を参照ください。
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私の体験談:始めたのが、2017年11月です。毎日8,000歩20分(4.2mets)歩き、現在2021年3月(3年4か月経過)に至っています。
書籍に記載の通り、歩き3か月でスイッチが入りました。その後癖になり継続しています。半年経過した頃より効果が見られ、回数を重ねるたびに効果が顕著になってきました。本当に驚きです。
私が得た効果は、次の6点です。①夜眠りが良い、②冷え性が止まった、③寒さを感じない、④立ち眩みが止まった、⑤読み書きが楽になった、⑥穏やかになったなどであり、私としては驚異的なことだと思っています。
今となれば、雨の日、雪の日、風の日であろうとも一日として止めることができない状態にあります。
私なりに、青栁氏の「律」が検証できたとみます。
2.“歩き”の振り返りⅠ
歩きを始めた切っ掛けは次の2点である。
一つ目、2013年11月65歳定年退職後、いずれやってくる高齢化の病にかからぬように健康管理をせねばと考えていた。時間ができて、何となく歩きを始めていた。
二つ目、次回のBlog12で紹介する2014年NHK放映「英国の認知症対策」を知ったこと。英国の事例は、認知症予備軍をケアして未然防止するというものである。この未然防止が医療の究極の姿だと思えた。
そんな時に、青栁氏の「歩いて伸ばそう健康寿命」に出合い、納得して「8,000歩、20分」を始めたのである。丁度一年経過した頃に沢山の成果が出てきたことで、これは本物だと思う様になった。
その後、歩きを継続する決意をした理由がある。それは、2018.1.8NHKスペシャル「骨が出す!最高の若返り物質(メッセージ物質が精力、筋力、記憶力、免疫力を高める)」放映番組を見たからである。人間の体が科学的に解析され、健康を維持するための要素の一部が明確化したからである。しかも、歩きが体全体の健康を管理できるという理屈が立証されているからである。
歩きを初めて2年経過した2019年12月に成果が顕著に認められるようになり、とうとう歩きが止められなくなってしまった。
3.“歩き”の振り返りⅡ
私自身、品質管理を研究していなかった50歳代の頃は健康体ということもあり、健康の管理(未然防止)など考えが及ばなかった(今は何も起こっていない、だから何もしていない)。見えない将来のために、未然防止の必要性を感じなかったのである。65歳の定年退職時(2013年11月)もまだ大丈夫の感であった。
成り行きだと、どうしても脳が足元の報酬――楽しいこと、嬉しいこと――を求め、「性(さが)」に負けて何もしない楽な方法を選択してしまうのである。
この振り返りⅡでは、将来のために「未然防止」する要件は何か?を私なりに整理しておく。
私が未然防止を考えられるようになったのは、次の4点からである。
①かつて勤務していた企業で大きなトラブルを経験したこと
→「含み損」に対する感性が高まり、「含み損」のマネジメント法を見出した。
→「含み損」を金銭勘定することが備えるための裏付けの一つだと理解した。
②品質管理(未然防止)を20年間研究したこと
→長い時間軸の物差しを持ち、「含み損」を予測し備えることが合理的だと理解した。
③2016年に「日本防災士」を認証し、自然災害への未然防止を深く考えたこと。
→将来必ず起こる自然災害(「含み損」)への備え方の研究と実践をした。
④老化を緩和させる技術を知り挑戦したこと
→医療研究が進み、健康を管理する科学的管理法がある。論理的だと誰もが受け入れやクスなる。
この4点が揃うと、報酬を先送り――近視眼的な「性(さが)」を抑制――できる様に思う。
今回はこの辺にしておく。次回のBlog12は、将来の含み損を国レベルで抑制する活動(バックキャスト)について紹介する。
以上